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ユトレヒトから、おはこんばんちは!

4年間務めていた会社を辞めて日本を飛び出してオランダに渡り、
昨年からユトレヒト大学院で環境学を学ぶ荒井りささん。
りささん、新天地での暮らしに戸惑いながらも、
日本にいると気づけなかったことにも触れてどうやら毎日が楽しそう。
そこで、ユトレヒト暮らしのちょっとおかしなことを、
食にまつわることを中心に、りささんにお届けしてもらうことにしました。
月に一度更新していきます。

第2回
ユトレヒトの街歩き
オランダに住む人の好きなもの

おはこんばんちは!りさです。

新しい年になりましたね。オランダでは、ニューイヤーといえば花火。みんなそこらで無秩序にどかんどかんと上げるので、街は轟音の響く無法地帯と化します。いまはコロナの規制で禁止されているのに、おかまいなし。除夜の鐘どころじゃありません。家族と一緒に粛然と年越しをするのがお馴染みの日本人のわたしにとって、こちらの新年はちょっと刺激的すぎます。

そんな花火が大好きなオランダの人たちですが、ほかにはどんなものが好きなんでしょう。今日はオランダに住む人が好きなものを見つけに、ユトレヒトの街を探検していきましょう!

***

街の中心に来てみました。

素敵でしょう~!中世の街並みが残る、オランダでも有数の美しい街なのです。そこらに運河が流れていて、スペシャルな雰囲気をかもし出しています。

そして、美しい風景のそばにはいつも自転車が!

オランダの英語名は”the Netherlands”で、直訳すると「低地」。海抜ゼロメートルのこの国では、どこにいっても土地が平らで、自転車にはうってつけ。人の数より自転車の数が多いんですって。サイクリングレーンや大規模な駐輪場も充実していて、自転車中心の交通環境なんです。

小さい頃から自転車に慣れ親しんできたオランダの人たちは、息をするように自転車に乗っています。片手で重い荷物を持ちながら運転したり、スマホをがっつりいじりながら走るのなんて朝めし前(スマホのながら運転は禁止されているけど)。見ているこっちが冷や冷やしちゃう。

自転車にひかれないように気をつけながら街を歩いていると、お花屋さんや観葉植物のお店がたくさんあることに気が付きます。

オランダに住む人たちは植物が大好きです。老若男女関係なく、たくさんの観葉植物を育てている人たちが多いです。なんで知っているかって、オンライン授業でいやというほどクラスメイトや先生たちのお家を覗いてきたから…。

それに、大きな窓からリビングが丸見えなお家がそこらにあって、大きな観葉植物がたくさん置いてあるのが見えるのです。きれいにデコレーションされていて、雑誌に出てくるような素敵なお宅がたくさん。こちらではカーテンを閉めるという習慣があまりないようで、外国人のわたしは興味津々に覗いています(たまに中にいる人と目が合って気まずい)。

週末になると、たくさんのお花や植物がマーケットに並びます。日本に比べるとお手頃な値段なので、たくさん買えてうれしい!

レストランなどにも植物がたくさん飾ってあって、グリーンにとっても癒されます。レストランといえば、オランダの人はどんなものを食べているのでしょう。

街の中心を歩いていると、ベーカリーがそこらに。それもそのはず、だってオランダのソウルフードといえばサンドイッチ(私見)。

オランダではフランスパンや黒パンも人気ですが、日本の食パンのようなやわらかいパンが好んで食べられています。全粒粉、スペルト小麦、グルテンフリーなど、種類はたくさん揃っています。お好みのパンにハムやチーズ、フムスなんかをはさんだ「お手軽サンドイッチ」はランチの定番。お昼時間には、パンの入っていたビニール袋をそのまま再利用してサンドイッチをぶら下げている学生をよく見かけます。

しかし平均身長世界No. 1のオランダ人(男性平均182.5cm、女性平均169cm)、うすっぺらいサンドイッチ2、3個でちゃんとお腹がいっぱいになるのかしら。といつも余計な心配をしています。

う~ん、なんだかおいしそうな匂いがしてきました。おお、あれはolliebol(オリボール)の屋台!

オリボールはオランダのドーナツで、クリスマス前後によく食べられる人気のスイーツです。直訳すると「油玉」。外はサクサク、中はモチモチの油と糖質の塊です。レーズンの甘酸っぱさと、上に振りかけられた粉砂糖がいい組み合わせ!

ただ、「何個もいけちゃう!」っていうより、1個でじゅうぶん満足なボリューム。調子に乗って何個も食べると、胃もたれすること間違いなし。日本でいうお餅みたいで、おいしいけど食べすぎに注意な食べものです。ちなみに、1月2日にスーパーに行くと、山積みにされたオリボーレンが無料で配布されていました。季節モノなのね。

ほかに人気の食べ歩きスナックは、揚げたソーセージやチーズ、フライドポテト、春巻きなど。あとは、ニシンの塩漬けやタラのフライも人気。オランダのチェーン店FEBOでは、自動販売機でこうした定番スナックが買えます。わたしはチーズが入った揚げもの、Kaassoufflé(カーススフレ)を試してみました。お味は、サクサクで、油っこくて、しょっぱい。ビールに合うおいしさですが、そのまま食べきるには油と塩分に負けない強靭な胃が必要です。

暖かくなってくると、アイスクリーム片手に街を歩く人をたくさん見るようになります。特にユトレヒトっ子のお気に入りのアイスクリーム屋さん”Roberto Gerato”は、いつもお店の前に長い列ができるくらい絶品!夏の間は、わたしも自転車を飛ばしてダブルのアイスクリームをよく食べに行っていました。冬はお店が閉まっているので、来年までのお楽しみ。

* * *

さて、今日の街歩きはここまで。スナック片手にユトレヒトのきれいな街並みを散歩するのは楽しかったなあ。今回学んだのは、オランダの人は自転車、植物、サンドイッチ、そして魅力的なおやつたちを愛しているってこと。

来月は、オランダの人たちの考え方や伝統的な食べものについてお話したいと思います。冬本番で寒い日が続きますが、あたたかいものを食べて健康第一でお過ごしくださいね。次回もお楽しみに!

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