タソガレンは、豆の薫りを鼻いっぱいに吸い込んだ。
束の間の休憩は、いつも喫茶店で過ごす。
珈琲をすすりながら、食べものに人生を投影する。
人生で起こることは、すべて食に置き換えられる。
すなわち、食事は人生の縮図である。
まさしくそういうことだろう。ぶつぶつ。
最近のぶどうは、皮も食べられ、種もない。ありがたい限りだが、見た目でそれを判断することは難しい。一見してわからないことを、一生懸命に解明しようとして、先に進まないことがよくある。そんな時は、ワカラナイコトとしてまるめて理解してみればいい。噛んでいるうちに、おいしい感覚とともに、答えがきっとわかる。
プリンが好き。とりわけ、プッチンプリンが好き。市販のプリンのカラメルは、容器の底にある。お皿に逆さにしてあけたときに、ザ・プリンが誕生する。しかしながら、実際にはお皿にあけるのは億劫で、容器のままで食べてしまうのがほとんどだ。理想と現実はいつも離れてしまうが、それはそれでおいしい。